the 雑念

葉一用。とりあえず日記

3/15 弟「いつも通りの南風が勇気をさらい乱れに棲み着く鼠達がこの肺を蝕んでく」

【仕事について】

仕事について割と詳細な情報が明らかになった。結構めんどくさい。働くのめんどくさいぞ、となっている。しかしながら働かなくては生きて行かれないので、多分働くと思う。そういう強度に関しては、そこそこあるのではないかと思っている。お金が欲しい。お金お金。研修が長すぎるので、また久しく下界とはおさらばすることになりそうである。お金が貯まる。

私の仕事は明るい仕事ではないし、クリエイティビティとは対極にある。残念である。仕事で私と会う人は、大概不幸の極致にあると言っても過言ではない。これも同様に残念ながら、私はぼんやりと不幸を観測するだけで何かしら能動的に働きかけたりはしない。まさしく鬱々とした仕事を選んだ訳だ。成り行きも勿論あるが、何か、明るく楽しい、賑やかな場所にいるということに堪え難さを覚えているのも事実である。生産性の無い仕事をやる人間も必要なのだ。とりあえずやれることからやってみよう、という気持ちである。

【旅行について】

イタリア以来、どこにも旅行に行っていない。どこか旅行に行きたい、と思うようなパーソナリティーでもないのだが、先日同期から「卒業旅行に行かないか」と誘われた。仕事のあれこれと被っていたので丁重にお断りしたが、何もなかったらついて行ったかもしれないと思った。働き出したら旅行なんかには行けないだろう、と考えた時、急に色々なことが惜しくなったのである。モラトリアムが終わることへのささやかな抵抗として旅行をしたかったのだ。我ながら女々しい事態である。幸か不幸か、仕事や仕事で3月末まで日数を跨いで暇な時間は少ない。穏やかに引きこもる準備は出来ている。

一方、弟は夜行バスで九州へ旅立った。先日に引き続き、恐ろしいバイタリティーである。分けて欲しい。

【美について】

美、と名を冠するものの多くは私と相性が悪いようで、アスペっぽいところも大きく影響している。弟は写真が趣味なのだが(今回の旅行も写真を撮る目的らしい)、たくさんのカメラで、たくさんの写真を撮ってくる。そうして、良い出来のものを私に見せるのである。私にはその良し悪しがわからないのだ。「どう?」と訊ねられても、「うん、桜だね」みたいなとんちんかんの反応である。

良い写真、というものは何が写っているのかわかる写真であると思っていた。彼にはまずその根本のところから違うと言われている。技術とかなんとかかんとか(ここで力尽きる)。

「そう、それは美しさなんだよ!!!」

指先までポーズを決めて言われた。そんなこと言われたって、という顔である。美しさに対する理解が足りないとのことだった。