【雨について】
雨である。特にやるべきこともないので家に引きこもっていた。根本的には引きこもりである。クッキーをクリックして1日中過ごせるタイプの人種だ。トーストをかじってソシャゲに勤しむだけで幸せなのである。慎しみ深い。休みの日くらいゆっくりと過ごしたい。ここで弟が起きてくるとリビングは地獄絵図となる。半田ごてや導線で食卓は埋め尽くされ、ノートPCなどで電源タップは満席になる。そして鼻を刺激する半田、即ち鉛とスズのとろけた香り。「換気したいからちょっと窓開けるね」と言われぬくぬくのリビングは6℃の空気と混ざり合う。彼の電子工作キットを叩き潰したい衝動に駆られながらも、私は我慢するのである。リビングにしか暖房器具のない我が家において、それ以外の部屋で活動することはほとんど不可能である。オフトゥンインする必要があるからだ。かといって大学に行くのも命知らずである。雨の外出となると、洗濯のニーズが増す。
そう、全ては弟の謎のバイタリティーが悪いのである。このクソ寒い日に窓全開で電子工作に取り組む彼を糾弾したい。しかしながら彼は彼でいろいろな厄介ごとを抱えているらしく、それをしなければならない状況下にあるらしい(どんな状況だ)。
「寒い」と言えば「ごめん」と返す辺り、弟も退っ引きならない状態にあるらしかった。何を作っていたのかは未だに謎である。
【家具について】
そろそろ新居に置くべき家具を選ばなくては、とネットサーフィンがてらに検索をしている。ローテーブルとパソコンデスクと椅子があると、食べることと学ぶことが出来そうなのでそれから調べているのだが、私は買い物に関して慎重かつ否定から入るのでなかなか何も変えない。ローテーブルを買うならばこたつを最初から買った方が良いのではないかとか、友人が来るだろうから少し大きめのものを買おうとか、ローテーブルがあるならパソコンデスクは要らないのではないかとか、結局「別に地べたでも良くね？」という極論に達するのである(実際、現在の自室には机がないのでPCやノート、果ては履歴書まで地べたで扱っている)。和室があるので地べた族で生きていきたい願望に拍車がかかる。ただ理想の椅子や理想の机を探すのが捗り、買えもしない値段のアイテムばかりがサジェストされるようになってしまった。心の底から邪魔である。
【ネタバレについて】
弟が私に対して巧妙にネタバレをしかけてくる話はTwitterで何度かした通りである。推理小説の犯人を言ったりするのが彼は大好きなのだ。私は何かしら仕返しをしてやろうと思い(半田の件もあり)、弟がバイトに出かけた後、弟の部屋を物色していたのだが、ちょうど『銀英伝』の漫画版が置いてあるのを見つけた。そう言えば、弟は『銀英伝』を読むのはこの藤崎竜版が初めてなのである。これはチャンスだ、と思い弟の帰宅を待った。そうして、キルヒアイスに関するあれこれをそっと教えてやったのである。弟は「えーっ？！なんで言うのそれーっ？？？サイコパスなの？？？」というリアクションで、私は大変満足だった。サイコパスなのはお前なのである。
